公開日 2022年6月23日
最終更新日 2022年6月23日
種苗法は、この法律に基づいて品種登録を受けた品種について、開発者の権利を守ることにより、新品種の開発を促進する制度です。
今回の法改正は、国内で開発されたぶどう等の優良品種の種苗が海外に流出して、他の国で増産され第三国に輸出・販売される等の事態が発生したことを受け、登録品種の開発者の意思に応じて種苗の海外流出の防止などの措置ができるように見直しが行われました。
なお、種苗法の対象となるのは、「登録品種」のみで、在来種などの「一般品種」は対象となりません。
「登録品種」と「一般品種」の区別について
- 登録品種:種苗法に基づいて種苗登録された品種。
- 一般品種:「地域の伝統品種である在来種」、「品種登録期間が切れた品種」、「これまでに品種登録されたことはないが既に1年以上販売されている品種」などは全て一般品種で、現在栽培されている品種の多くがこの一般品種となっています。
今回の種苗法の改正に伴い、日本国内で開発された農作物の登録品種の自家増殖には、品種開発者の許諾が必要となりました。
但し、国や都道府県などが開発した登録品種の許諾の取り扱いについては、それぞれの品種開発者の判断となります。
また、大分県が開発した登録品種については、基本的に自家増殖に必要な許諾手続を求めない方針を決定しています。
詳細については、大分県のホームページをご覧ください。
豊後大野市内において主に栽培されている各品目における種苗法の取り扱い一覧 令和4年6月28日現在
品目 | 作物名 | 登録品種名 |
開発者 |
自家増殖して |
許諾が |
特記事項 または 許諾等に関する問い合わせ先URL (※クリックすると外部リンク先の画面に変わります) |
---|---|---|---|---|---|---|
稲 | 一般品種 | ヒノヒカリ | 良い | 不要 | ||
コシヒカリ | 良い | 不要 | ||||
ひとめぼれ | 良い | 不要 | ||||
ユメヒカリ | 良い | 不要 | ||||
あきたこまち | 良い | 不要 | ||||
ミルキークイーン | 良い | 不要 | ||||
雄町 | 良い | 不要 | ||||
五百万石 | 良い | 不要 | ||||
山田錦 | 良い | 不要 | ||||
若水 | 良い | 不要 | ||||
みつひかり2003 | 良い | 不要 | ||||
みつひかり2005 | 良い | 不要 | ||||
ヒヨクモチ | 良い | 不要 | ||||
ハクトモチ | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | つや姫 | 山形県 | 良い | 不要※ | ※山形県と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | |
にこまる | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
たちはるか | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県農業協同組合において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
あきまさり | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
みなちから | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
なつほのか | 鹿児島県 | 良い | 不要※ | ※鹿児島県と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
小麦 | 一般品種 | チクゴイズミ | 良い | 不要 | ||
農林61号 | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | はるみずき | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | |
大麦 | 一般品種 | ニシノホシ | 良い | 不要 | ||
登録品種 | トヨノホシ | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | |
サチホゴールデン | 栃木県 | 良い | 不要※ | ※栃木県と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
ホワイトファイバー | 長野県 | 良い | 不要※ | ※長野県に対し許諾申請を行い、その結果、許諾通知を受けた業者からの種苗購入であれば問題無し | ||
くすもち二条 | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構が定めた許諾条件を遵守することにより、自家用の栽培向け増殖の許諾手続きを不要としているもの | ||
はだか麦 | 登録品種 | トヨノカゼ | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み |
ハルアカネ | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構と大分県主要農作物改善協会において、大分県内生産者が購入する種苗分については一括許諾済み | ||
大豆 | 一般品種 | フクユタカ | 良い | 不要 | ||
すずおとめ | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | クロダマル | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構が定めた許諾条件を遵守することにより、自家用の栽培向け増殖の許諾手続きを不要としているもの | |
そば | 登録品種 | 春のいぶき | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構が定めた許諾条件を遵守することにより、自家用の栽培向け増殖の許諾手続きを不要としているもの |
さちいずみ | 農研機構 | 良い | 不要※ | ※農研機構が定めた許諾条件を遵守することにより、自家用の栽培向け増殖の許諾手続きを不要としているもの | ||
かんしょ | 一般品種 | ベニアズマ | 良い | 不要 | ||
高系14号 | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | べにはるか | 農研機構 |
良い※ |
必要※ |
※詳細については、下記、農研機構のホームページを参照 https://www.naro.go.jp/collab/breed/permission/index.html
※JA「甘太くん」部会員用の「ウイルスフリー苗」については、一括での許諾済み |
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シルクスイート | カネコ種苗(株) |
良い※ |
不要※ |
※詳細については、下記、カネコ種苗(株)のホームページを参照 kanekoseeds-p.jp/products/シルクスイート-2/
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いちご | 一般品種 | さがほのか | 良い | 不要 | ||
登録品種 | 恋みのり | 農研機構 | 良い※ 【条件あり】 |
必要※ 【無償】 |
※詳細については、下記、農研機構のホームページを参照 https://www.naro.go.jp/collab/breed/permission/index.html
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紅ほっぺ | 静岡県 | 良い※ 【条件あり】 |
必要※ 【有償】 R4.7.10まで |
※詳細については、下記、静岡県のホームページを参照 |
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ゆめのか | 愛知県 | 良い※ 【条件あり】 |
必要※ 【有償】 |
※詳細については、下記、愛知県のホームページを参照 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/nogyo-keiei/0000072785.html |
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ベリーツ(大分6号) | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | ||
かんきつ類 | 一般品種 | 八朔 | 良い | 不要 | ||
文旦 | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | 大分果研4号 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | |
大分果研6号 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | ||
ブドウ | 一般品種 | ピオーネ | 良い | 不要 | ||
巨峰 | 良い | 不要 | ||||
デラウェア | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | シャインマスカット | 農研機構 | 良い※ 【条件あり】 |
必要※ 【有償】 |
※詳細については、下記、農研機構のホームページを参照 |
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梨 | 一般品種 | 豊水 | 良い | 不要 | ||
新高 | 良い | 不要 | ||||
幸水 | 良い | 不要 | ||||
新興 | 良い | 不要 | ||||
登録品種 | 豊里 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | |
あきづき | 農研機構 | 良い※ 【条件あり】 |
必要※ 【有償】 |
※詳細については、下記、農研機構のホームページを参照 |
||
トルコギキョウ | 登録品種 | チェリービー | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない |
チェリービー2号 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | ||
チェリービー3号 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない | ||
ヤマジノギク | 登録品種 | TOYOロマン2号 | 大分県 | 良い | 不要※ | ※大分県が開発した登録品種→県の方針により、自家増殖に必要な許諾手続は不要であり、許諾料も徴収しない |
種苗法の主な改正点
1.登録品種の開発者(育成者権者)が、輸出先国や国内の栽培地域を指定することが可能になりました
これから新たに登録される品種については、開発者(育成者権者)が輸出先国や国内の栽培地域を指定して、種苗の海外持ち出しや国内の指定地域外での栽培を制限できるようになりました。
【例;大分県が開発した登録品種】
●いちご ・・・大分6号(ベリーツ)
●梨 ・・・豊里
●かんきつ類 ・・・大分果研4号、大分果研6号
●トルコギキョウ ・・・チェリービー、チェリービー2号、チェリービー3号
●ヤマジノギク ・・・TOYOロマン2号
●大麦 ・・・トヨノホシ
※上記、大分県の登録品種は、国に届出を行い、すべて海外への種苗の持ち出しを制限しています。
2.登録品種の自家増殖は、開発者(育成者権者)の許諾が必要となります
1)大分県が開発した登録品種については、基本的に自家増殖に新たな許諾手続を求めない方針を決定しました。 また、自家増殖に係る許諾料は徴収しません。
一部の品種(いちご、果樹、大麦など)ついては、登録品種利用許諾契約書の条項の中に、自家増殖の許諾内容(※)に関する条項を追加することで対応しています。
※【自家増殖の許諾内容の記載例】…「当該品種の種苗を県内で自作する直近の本田栽培又は自家増殖に全て供すること。」
種苗法改正に伴う大分県の対応方針について (外部リンク)
https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2135137.pdf
2)国や他の都道府県が開発した登録品種の許諾の取り扱いについては、それぞれの品種開発者の判断となります。
※国が開発した登録品種の許諾方針については、農研機構が以下のホームページにて登録品種の許諾方針を公表しています。
農研機構のホームページ (外部リンク)
https://www.naro.go.jp/collab/breed/permission/index.html
3.登録品種の表示が義務化されました
登録品種の種苗を、業として譲渡する場合や販売する際は、「登録品種であること」や「海外持ち出し制限があること」、「国内栽培地域の制限があること」の表示を付すことが義務化されました。
表示の記載例などの詳細については、農林水産省作成のパンフレットをご覧の上、適正な表示を行ってください。
農林水産省作成パンフレット(外部リンク)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/attach/pdf/shubyoho-34.pdf
4.主要農作物種子法が廃止された後も、引き続き優良な種子は安定供給されています
平成30年4月に「主要農作物種子法」は廃止されましたが、大分県においては、同年(平成30年)4月に、「大分県主要農作物種子制度基本要綱」及び関連する要領を整備しており、主要農作物の優良な種子は引き続き安定供給されています。