公開日 2018年3月22日
最終更新日 2021年3月23日
生活保護法は、病気や身体の障害、思いがけない事故など、いろいろな事情により真に生活に困った方々に、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。
また、こうした方々が困った状態からぬけ出し、再び自分の力で生活ができるようにお手伝いすることも目的としています。
生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。
生活保護の手続きについて
相談
生活保護制度では、あらゆるものを最低限度の生活のために活用しなければなりません。
たとえば、以下のようなものが挙げられます。
- 土地、家屋、自動車、貴金属などの高価なものを処分できないか。
- 働ける方の能力に応じた収入を得ているか。
- 親、子ども、兄弟、姉妹などから援助は受けられないか。
- 年金や恩給、手当など、現在給付されているもののほかに、受けられる制度はないか。
そのため、家庭の状況などについておうかがいし、生活のために活用できる制度や生活保護を受けるための要件などについてご説明します。
生活困窮者自立支援制度について
豊後大野市福祉事務所では、生活困窮者自立支援を実施しています。相談の中で必要に応じて、生活困窮者自立支援制度のご説明をさせていただきます。生活保護の受給をお考えでない場合でも、生活に関する問題を解決するため、生活困窮者自立支援制度のご活用をご検討ください。
生活困窮者自立支援制度について
申請
生活保護の受給をお考えの方は、相談後に生活保護の申請を行っていただきます。
調査
生活保護の申請の手続き後は、生活保護が必要かどうかを確認するため、以下のような調査を行います。
- 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
- 預貯金、保険、不動産等の資産調査
- 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
- 年金等社会保障給付、就労収入等の調査
- 就労の可能性の調査
また、必要に応じて、申請の手続きの際に確認できなかった書類の提示や、新たな手続きなどをご依頼することがあります。
※以下のような扶養義務者に対しては調査を行わないことがあります。
- 被保護者、社会福祉施設入所者、要保護者の生活歴等から特別な事情があり明らかに扶養ができない者並びに夫の暴力から逃れてきた母子等当該扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる者であって、明らかに扶養の履行が期待できない場合
- 長期入院者、主たる生計維持者ではない非稼働者、未成年者、概ね70歳以上の高齢者等
- 20年間音信不通である等、明らかに交流が断絶している場合
決定
調査結果と最低生活費とを比較し、生活保護が必要かどうか、援助内容などを決定し、文書で通知します。
最低生活費とは…国の定める保護基準に基づいて、世帯の構成(人数や年齢など)やお住まいの地域などにより決められます。
生活保護の実施
生活保護は、原則として世帯を単位として行われます。世帯全員の収入や資産、働く能力など、あらゆるものを活用し、その不足分を生活保護により補います。
たとえば、生活費や住宅費などは、世帯の収入が最低生活費に満たない場合、その不足分が保護費として支給されます。
<最低生活費と収入との対比>
生活保護の種類について
生活保護は、その内容によって、8種類の扶助に分けられています。
生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、生業扶助、出産扶助、葬祭扶助の8種類です。
これらの扶助を、世帯の状況に応じて組み合わせ、最低限の必要な範囲で保護を行います。
生活扶助
日常生活において必要な費用の支給を行います。
例えば、食べる物や着る物、電気、ガス、水道などの光熱費などが挙げられます。
住宅扶助
お住まいの住居の維持に必要な費用の支給を行います。
例えば、家賃や地代、家屋補修費などが挙げられます。
教育扶助
義務教育を受けるお子さまの就学に必要な費用の支給を行います。
例えば、小・中学校などで必要な学用品代、教材代、給食費などが挙げられます。
医療扶助
病気やケガの治療のための診療や投薬などに必要な費用の支給を行います。
介護扶助
加齢に伴う病気などにより介護サービスが必要となった場合に必要な費用の支給を行います。介護サービスの内容については基本的には介護保険制度と同様です。
出産扶助
妊娠されている場合に出産などに必要な費用の支給を行います。
生業扶助
働くために必要な費用の支給を行います。
例えば、技能の修得費、就職に必要な費用、高等学校などへ通学するための費用が挙げられます。
葬祭扶助
亡くなられた方の葬祭に関する費用の支給を行います。
生活保護を受けられている方の義務について
保護を受けられている方には、以下のような守っていただく義務があります。これらの義務については、生活保護の申請時、保護の開始時や保護の受給後に、適宜、ご説明します。
生活上の義務
働くことのできる方は能力に応じて働いてください。また、節約に努め、計画的なくらしを心がけてください。
届出の義務
収入、支出などの生計の状況に変動があったときや世帯の構成に異動があったときは、すぐに福祉事務所に届け出てください。
指示に従う義務
福祉事務所から生活を向上させるための指導や指示を受けた場合はこれに協力してください。指導や指示に従わない場合は、やむをえず保護の変更や停止または廃止が行われることがあります。