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フイールドワーク「むら」を歩いて

公開日 2016年3月5日

最終更新日 2024年3月1日

フィールドワーク「むら」を歩いてとは

豊後大野市隣保館では、部落差別問題の正しい認識と完全解消を目指して、地区に残された古い史料(主に江戸時代)を基に、受講者の皆さんに現地を回っていただき、想像力を働かせてもらいながら、当時の背景やむらに住んでおられた方々の思いや人柄などに迫っていく研修を実施しています。
※フィールドワークの研修では、被差別地区や対象地区という表現でなく、「むら」と説明をします。

現地学習

お寺の太鼓や過去帳、大きなお墓、祀ってきた神様、抱き茗荷の家紋入り瓦、お宮(天満社)、キリシタン墓、家紋の入った先祖供養塔、幼くして亡くなった子どものお墓等を受講者の皆さんに見ていただきます。
明尊寺  大きな墓

まとめ学習

現地を回った後は隣保館に戻り、プロジェクターを使って、現地の映像などを見ながら当時の背景を説明し、研修受講者の理解を深めます。
まとめ

終わりに

実際に「むら」を見ていただくと、受講者の皆さんがこれまで抱いていた地区のイメージが変わってくるのではないでしょうか。「むら」の皆さんは、差別に対しさまざまな形で抵抗を示し、力強く生きてきました。また、先祖供養塔に家紋を入れたり、幼くして亡くなったわが子に立派なお墓を建てたり、『自分の家に対する誇り』を持ち『愛情あふれ心豊か』に生きてきました。部落差別を助長してきたのはかつての政治権力ですが、差別心を持ち続けてきたのは一般の住民なのです。この差別心をなくすためには、「むら」に対する根拠のない偏見を払拭し、正しい認識を持つことが必要です。
生活の中には、部落差別問題と関わりのある様々な場面があり、それらは一部の人にだけ関わりのあることではありません。この問題を自分に関わりのある問題として捉えることは、自分自身の意識や態度、行動について考えるきっかけとなります。真の差別解消につなげるためには、個人個人が部落差別問題について正しい認識を持ち、それを自分のこととして考え、差別をなくすために行動できる態度を身につけることが求められます。
部落差別問題は「差別される側」の問題ではなく、「差別する側」の問題であり、その中には、自分には関係ないといった無関心であることも含まれます。なぜなら、無関心は結果的に差別の存在を許してしまうことになるからです。このことは部落差別に限らず、全ての人権問題にも共通していることです。
「誰かがなくしてくれる」では、差別はなくなりません。「私」自身が差別をなくすためにどう行動するのかが大切です。まず、自分にできることから始めましょう。

お問い合わせ

人権・部落差別解消推進課 隣保館
電話:0974-34-3603
FAX:0974-34-3603