公開日 2015年1月31日
最終更新日 2015年1月29日
展示作品 The Exhibited Works of the 4th Oita Asian Sculpture Exhibition
第4回大分アジア彫刻展は、大分県での国民文化祭開催に合わせ、指名作家5人が竹を素材とした彫刻作品を滞在制作しました。
宇宙通信使―遙かな星の声を聴け
Space Correspondence-Listening to the voice of the distant stars
H750×W1700×D600cm
末田 龍介 SUEDA Ryusuke
大分県 Oita JAPAN
コメント
宇宙の構造に
自らの運命を託して生きた古代の人々。
永遠に変わらぬこの問いかけの中にある現代も、
自らの内包する宇宙に
自らの運命を
学びとらねばならない。
「竹の波動―朝地」
“Undulating Bamboo-Asaji”
H1000×W1800×D1800cm, H800×W1200×D1200cm
眞板 雅文 MAITA Masafumi
神奈川県 Kanagawa JAPAN
コメント
竹は存在自体が東洋的であり、日本の美意識に於いても、わびさびの世界に簡単に収まってしまう素材である。他方で風を受けた竹林は、大きなうねりをもって自在な形と力強さを見せてくれるし、春には土の中から水を吸い上げる音が聞こえてきそうなくらい、生命力に満ちた姿をしている。このような魅力ある竹をどうやって作品にしてゆくかは、私の長い間の課題でもあった。機が熟したのであろうか、昨年は北陸の下山美術館の室内に制作することができ、今年は朝倉文夫記念公園の小高い芝を張った広場に、600本にも及ぶ豊富な竹を使って制作する機会に恵まれた。周りの環境を意識する私の仕事は、下見に訪れたこの土地に、創作意欲をかきたてられ大変気に入ってしまった。台風一過でようやく晴れた今朝など、雲海に浮かぶ祖母、傾の連山、阿蘇五岳を目の当たりにして、今回の作品の最も適する場が朝地にあることを再確認した。『竹の波動─朝地』は縄を巻いた円形の鉄枠の中に竹を差し込み、蛇の目傘を逆さにしたような形に組んだ物を三つ作り、一番大きい物は15メートル前後の長さで外へと広がり、節を抜いた竹には水が入り少しずつ土に透過してゆく、あとの二つは小さめである。特に大きい彫刻の中に入り空を仰ぐと、清々しい大気に包まれて、竹の精が発するかすかな波動を感じることができる。それは身体を通り大地へと移行してゆく。天と地の結びをテーマにした彫刻は、作り手の意図が見る人の心にも伝わり一体となって完成に至る。
風の演奏会
Wind Recital
H700×W200×D200cm
松本 秋則 MATSUMOTO Akinori
東京都 Tokyo JAPAN
コメント
私の作品は
風が吹くと
音を奏でる仕組みになっています。
会場内を散策しながら
風の奏でる音楽を
楽しんでください。
CATCHING TIME AND ERASING SPACE
時間の罠
H500×W500×D500cm
ヤン ジュヘェ YANG Ju Hae
韓国 KOREA
コメント
音が天下を治め、その音はふたつのものがいっしょになって出ると歴史の書(一然著「三國遺史」)は語っている。私はここで空間の統合が時間の音を出す道をたずね行きながら、この作品を作った。この数多くの竹の内側には、音を造り出す笛が潜在しているかもしれない。常緑の竹をもってひとつの総体的形態を造り、去りゆく生の時間を空間の中に閉じ込め、形ある音(音楽)の面影を描いてみようとした。あたかも機織りの横糸・縦糸が織りなすがごとく、竹を垂直線と平行線により組んで、はかない時間をその中に閉じ込める罠を造ってみる。ある日、この多くの竹をひとつにした罠がもう一つの巨大な“萬波息笛”に変わるのを、そしてその中から流れ出る音、時間と空間を超越して鳴りわたる荘厳な音楽を夢みるのである。
IF RAIN YOU ARE, I'LL BATHE THE EARTH WITH YOU
雨なら、地球といっしょに水浴びしよう
H1280×W1200×D3200cm
ジュンイー JUNYEE
フィリピン PHILIPPINES
コメント
物事の可能性は無限です。
天地万物をもってしてもその全部を表現することはできません。
また、誰もがすべてのことをわかるわけではありません。
芸術家は深刻になりすぎないよう、楽しく、情熱的に、
空白を埋めていくのです。