豊後大野市消防本部災害等に係る情報等の照会・問い合わせ対応要領

○豊後大野市消防本部災害等に係る情報等の照会・問い合わせ対応要領

平成19年6月28日

消防本部訓令第4号

(趣旨)

第1条　この訓令は、豊後大野市消防本部管内で発生した災害等について消防職員が業務の遂行上収集若しくは知り得た情報等に関する照会又は問い合わせ(以下「照会等」という。)に係る対応について、必要な事項を定めるものとする。

(照会等の種別)

第2条　照会等の種別は、次のとおりとする。

(1)　犯罪捜査機関からの照会

ア　刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項の規定に基づく捜査関係資料の照会

イ　電話及び口頭による照会

(2)　裁判所からの照会

ア　刑事訴訟法第279条の規定に基づく照会

イ　民事訴訟法(平成8年法律第109号)第186条の規定に基づく調査嘱託

ウ　民事訴訟法第226条の規定に基づく文書送付嘱託

エ　電話及び口頭による照会

(3)　弁護士からの照会

ア　弁護士法(昭和24年法律第205号)第23条の2の規定に基づく照会

イ　電話及び口頭による照会

(4)　報道機関からの取材のための電話及び口頭による照会

(5)　市民からの電話及び口頭による問い合わせ

(6)　その他の照会及び問い合わせ

(対応要領)

第3条　前条の照会等に対する対応については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

(1)　犯罪捜査機関からの照会

ア　刑事訴訟法に基づく文書による照会に対しては、照会された事項についてのみ文書により回答するものとする。

イ　電話及び口頭による照会等に対しては照会者の所属、氏名及び連絡先を確認の上、調査に基づいた客観的な事実のみを回答するものとする。この場合において、照会内容等が不審と思われる場合及び回答の可否が判断できない場合は、即答を避け、内容を協議した後に回答するものとする。

(2)　裁判所からの照会

ア　刑事訴訟法及び民事訴訟法に基づく文書による照会に対しては、照会された事項についてのみ文書により回答するものとする。

イ　電話及び口頭による照会に対しては、原則として文書による照会を求めるものとする。ただし、緊急を要すると思われる場合においては、照会者の所属、氏名及び連絡先を確認の上、調査に基づいた客観的な事実のみを回答するものとする。この場合において、照会内容等が不審と思われる場合及び回答の可否が判断できない場合は、即答を避け、内容を協議した後に回答するものとする。

(3)　弁護士からの照会

ア　弁護士個人からの照会に対しては、原則として弁護士法に基づく弁護士会を通じた文書による照会を求めるものとする。

イ　電話及び口頭による照会等に対しては、原則として応じないものとする。

ウ　回答に当たっては、民事的な争いに関与することのないよう留意し対応するものとする。

(4)　報道機関からの取材に関する照会　報道機関は速報性と併せて公共性を有しており、消防本部からの市民への正確な災害情報の提供が報道機関を通じてなされる場合も多く、特に大地震や風水害・土砂災害などは報道によって二次災害が回避される可能性があることから、市民の生命、健康、生活又は財産を保護するために公にすることが必要と認められる情報については、積極的にこれを公開するものとするが、報道による社会的影響の大きさに留意し、適正に回答するものとする。

ア　客観的な事実のみを回答するものとし、推定事項は回答しないものとする。

イ　回答できない情報については、明確にその理由を示し理解を求めるものとする。

ウ　火災及び救急・救助事案の回答範囲は、原則として別表によるものとするが、これによらないもの又は回答の可否が判断できない場合は、必要に応じて個別に協議するものとする。なお、事案発生中は、回答に「何時何分現在」を付加するものとする。

エ　照会等に対しては照会者の所属、氏名及び連絡先を確認の上、調査に基づいた客観的な事実のみを回答するものとする。この場合において照会内容等が不審と思われる場合は、即答を避け、内容を協議した後に回答するものとする。

(5)　市民からの問い合わせ　災害の発生について、消防機関は市民の生命、健康、生活又は財産を保護するため、必要な限度において市民に対して正確な情報を提供する義務があるが、その際においても、個人情報の保護については特に留意し慎重に対応しなければならない。

ア　火災及び救急・救助事案の回答範囲は、別表によるものとする。ただし、照会者がり災者の家族及び親族等として確認できた場合は、この限りでない。

イ　回答できない情報については、明確にその理由を示し理解を求めるものとする。

(6)　その他の照会等　個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の趣旨にかんがみ、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を害することのないよう留意し、前各号に準じて回答するものとする。

(情報の公表)

第4条　公表する情報の内容は、複数の照会に対して平等で統一されたものでなければならない。

2　情報の公表は、消防本部にあっては総務課長が、災害現場にあっては署長、警防課長又は小隊長が行うものとし、職員が個別に対応することは認められない。ただし、公表の担当者が不在その他の事由により当該担当者による情報の公表ができないときは、当該担当者の次席の職員が対応するものとし、対応後は直ちにその内容を総務課長に報告するものとする。

(その他)

第5条　この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。

附則

この訓令は、平成19年7月1日から施行する。

別表(第3条関係)　照会事項別対応の基本方針

凡例　○…回答する　△…一部回答又は個別事案により回答　×…回答しない


経過・回答事例照会事項			照会機関等	119番受理時(火災出動中)	火災調査開始(現場到着時)	火災調査終了(現場情報の確定)	備考
火災事案	覚知	火災の種別	報道機関	○	○	○
		火災の種別	市民	○	○	○
		発生場所	報道機関	△(※)	○	○	※　通報受理段階では不確定情報のため「○○付近で発生」と回答する。
		発生場所	市民	△(※)	○	○	※　通報受理段階では不確定情報のため「○○付近で発生」と回答する。
		覚知時間	報道機関	○	○	○
		覚知時間	市民	○	○	○
		消防本部の対応状況	報道機関	○	○	○	消防隊等の出動状況を回答する。
		消防本部の対応状況	市民	○	○	○	消防隊等の出動状況を回答する。
	通報者	氏名	報道機関	×	×	×
		氏名	市民	×	×	×
		電話番号	報道機関	×	×	×
		電話番号	市民	×	×	×
	火元者等	氏名	報道機関	×	×	○(※)	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		氏名	市民	×	×	×	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		住所	報道機関	×	×	○(※)	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		住所	市民	×	×	×	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		電話番号	報道機関	×	×	×
		電話番号	市民	×	×	×
		生年月日	報道機関	×	×	×
		生年月日	市民	×	×	×
		年齢	報道機関	×	×	○(※)	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		年齢	市民	×	×	×	※　他の機関によって公表されている内容と同等の範囲のみ公表する。
		出火行為者の氏名	報道機関	×	×	△(※)	※　農作業・ごみ焼却等、出火行為が明らかな場合のみとし、犯罪が疑われる事案や該当者が未成年者等に留意し捜査機関と協議し回答する。
		出火行為者の氏名	市民	×	×	×
	構造・面積等	焼損建物の構造概要	報道機関	×	×	○(※)	※　目視で推定・確認できる事項(木造2階建等)を回答する。
		焼損建物の構造概要	市民	×	×	×	※　目視で推定・確認できる事項(木造2階建等)を回答する。
		焼損棟数	報道機関	×	×	○(※)	※　目視で推定・確認される棟数を回答する。
		焼損棟数	市民	×	×	×	※　目視で推定・確認される棟数を回答する。
		焼損建物の概算面積	報道機関	×	×	○(※)	※　目視で推定される概算面積を回答する。
		焼損建物の概算面積	市民	×	×	×	※　目視で推定される概算面積を回答する。
		林野等の概算面積	報道機関	×	×	○(※)	※　目視で推定される概算面積を回答する。
		林野等の概算面積	市民	×	×	×	※　目視で推定される概算面積を回答する。
		焼損建物延面積	報道機関	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
		焼損建物延面積	市民	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
		焼損建物の間取り	報道機関	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
		焼損建物の間取り	市民	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
		焼損建物内収容物	報道機関	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
		焼損建物内収容物	市民	×	×	×	個人の財産情報に係るため公表できない。
	原因等	火災等の発生原因	報道機関	×	×	△(※)	※　明らかな場合と特定されない場合がある。
		火災等の発生原因	市民	×	×	×	※　明らかな場合と特定されない場合がある。
		出火箇所	報道機関	×	×	△(※)	※　多数の目撃証言等により明らかな場合と、特定されない場合があるため「○○付近と推定される」と回答する。
		出火箇所	市民	×	×	×	※　多数の目撃証言等により明らかな場合と、特定されない場合があるため「○○付近と推定される」と回答する。
	死・負傷者等	人数	報道機関	×	×	○
		人数	市民	×	×	×
		住所	報道機関	×	×	×	捜査機関によって身元が確認されるため。
		住所	市民	×	×	×	捜査機関によって身元が確認されるため。
		氏名	報道機関	×	×	×	捜査機関によって身元が確認されるため。
		氏名	市民	×	×	×	捜査機関によって身元が確認されるため。
		生年月日(年齢)	報道機関	×	×	△(※)	※　死者の場合捜査機関によって確定されるため、例えば、「老人等」判断できる範囲を回答する。
		生年月日(年齢)	市民	×	×	×	※　死者の場合捜査機関によって確定されるため、例えば、「老人等」判断できる範囲を回答する。
		性別	報道機関	×	×	△(※)	※　激しく焼損した場合、性別が確認できない場合がある。
		性別	市民	×	×	×	※　激しく焼損した場合、性別が確認できない場合がある。
		死・負傷の原因	報道機関	×	×	×	捜査機関及び医師により確定されるため。
		死・負傷の原因	市民	×	×	×	捜査機関及び医師により確定されるため。
		負傷の程度	報道機関	×	×	×	負傷の程度は入院期間で特定されるため。
		負傷の程度	市民	×	×	×	負傷の程度は入院期間で特定されるため。


経過・回答事例照会事項			照会機関等	119番受理時(現場出動中)	現場到着時	聞取り終了(現場情報の確定)	備考
救急・救助事案	覚知	事故の種別	報道機関	△	△	△	通報受理時の事故種別を回答するが、自損や一般的な急病等は除く。
		事故の種別	市民	△	△	△	通報受理時の事故種別を回答するが、自損や一般的な急病等は除く。
		発生場所	報道機関	△(※)	○	○	※　通報受理段階では不確定情報のため「○○付近で発生」と回答する。
		発生場所	市民	△(※)	○	○	※　通報受理段階では不確定情報のため「○○付近で発生」と回答する。
		覚知時間	報道機関	○	○	○
		覚知時間	市民	○	○	○
		消防本部の対応状況	報道機関	○	○	○	救急車・救助工作車の出動状況を回答する。
		消防本部の対応状況	市民	○	○	○	救急車・救助工作車の出動状況を回答する。
	通報者	氏名	報道機関	×	×	×
		氏名	市民	×	×	×
		電話番号	報道機関	×	×	×
		電話番号	市民	×	×	×
	原因等	事故の原因	報道機関	×	×	×	捜査機関により特定されるため。
		事故の原因	市民	×	×	×	捜査機関により特定されるため。
		事故の概要	報道機関	×	×	○(※)	※　「車両2台による事故等」、見分した状況を回答する。
		事故の概要	市民	×	×	×	※　「車両2台による事故等」、見分した状況を回答する。
	死・負傷者等	人数	報道機関	×	×	○
		人数	市民	×	×	×
		生年月日(年齢)	報道機関	×	×	×(※)	※　「少年、青年等」については回答する。
		生年月日(年齢)	市民	×	×	×	※　「少年、青年等」については回答する。
		性別	報道機関	×	×	○
		性別	市民	×	×	×
		直接の原因	報道機関	×	×	×	捜査機関及び医師により特定されるため。
		直接の原因	市民	×	×	×	捜査機関及び医師により特定されるため。
		負傷の程度	報道機関	×	×	×	入院期間で特定され、医師の判断によるため。
		負傷の程度	市民	×	×	×	入院期間で特定され、医師の判断によるため。

※　事案により、照会事項別対応の方針が変更される場合があり得る。